菅山区の概要
1.位 置
牧之原市の南西、東経138°10’47”、北緯34°41’42”に位置する。
東は牧之原市大江区、大沢区に、南は牧之原市須々木区、御前崎市上朝比奈地区に、
西は御前崎市新野地区、菊川市高橋、川上、赤土地区に、北は牧之原市神寄区に接
する。
2.面 積
東西5.3㎞、南北2.3㎞、総面積8.125㎢
3.地 勢
洪積台地の丘陵地と沖積平地から成る。
丘陵地は古大井川の河床が隆起してできた新第三紀中新世の相良層群(上部は、砂泥
互層の相良層、下部は砂礫層の時ヶ谷層)の上に砂泥層の第四紀更新世の古谷層、牧
之原礫層が分布する台地(牧之原台地の西南部)で、ここから流れ下る小河川が多数
のV字の谷を形作っている。
沖積平地は萩間川の支流菅ヶ谷川の下流に形成された扇状地である。
最高所は海抜150mの原台地、最低地は、海抜4.3mの堀之内付近である。
区の北部を東西に石灰岩層(郷ノ谷~女神~男神)、油田層(大知、新田、時ヶ谷
~和田ノ谷、郷ノ谷~海老江~白井)を内蔵した女神背斜が走っている。
菅ヶ谷川の流域及び原台地、そこから派生した多数の谷間(たにあい)に交通路が
伸び、集落が形成されている。
4.歴 史
縄文時代以前 菅ヶ谷の奥ノ谷において、貝塚ではないかと推測される遺物が出土し
ているが、人の居住を示す明確な遺跡、遺物は確認されていない。
弥生時代 菅ヶ谷の宮代や沖代などから弥生式土器、石斧などの遺跡、遺物が発見
されている。
古墳時代 松本や菅ヶ谷の西原などから後期に属する円墳(横穴式石室)や須惠
器、鉄刀などの遺跡、遺物が発見されている。
奈良時代~ 8世紀~9世紀 遠江国榛原郡8郷1駅の内に相良郷(萩間川右岸を南
平安時代 に白羽までの地域)、大江郷(萩間川左岸を北に東萩間までの地域)あり。
松本を除く現在の菅山区の区域は相良郷に、松本は大江郷に属す。
11世紀末~12世紀初 相良荘(相良郷、大江郷を合わせた地域)が
成立し、相良氏(遠江国国司の末、藤原周頼を祖とする。)の支配
が始まる。
相良荘の中心は、現在の大江区東中、菅山区の西中、堀之内を核に、大
江区の北部から大沢区の北部にかけての地域であったと考えられる。
現在の菅山区域には、古くから堀之内村、西中村、菅ヶ谷村、松本村、
西山寺村の5ヵ村があったが、その成立の時期は定かでない。
鎌倉時代~ 相良氏は、鎌倉幕府の地頭として九州に下向した後も、一族が相良荘に留
戦国時代 まり、鎌倉時代末まで本貫地である相良荘を支配したと考えられている。
その後の当地の支配者については伝説の域を出ないが、やがて、駿河守護
今川氏の支配するところとなり、今川氏滅亡後は、武田氏、徳川氏の支配
を経て、豊臣秀吉の全国統一により秀吉配下の山内氏が支配するに至る。
江戸時代 幕府(直轄地)、駿府(静岡)藩、相良藩、掛川藩、田中藩、一橋家などの
支配をうけていたが、時期により、地域によって、それぞれの支配地は複雑
に入り組んでいた。
5.沿 革
慶応4年 大政奉還がなされ静岡藩が誕生すると、堀之内村、西中村、菅ケ谷村、松本
村、西山寺村の5ヵ村は、静岡藩領となって、明治4年7月の廃藩置県を迎 える。
明治4年10月 廃藩置県により、浜松県が置かれ、堀之内村、西中村、菅ケ谷村、松本村、 西山寺村の5ヵ村は、浜松県に属する。
明治5年10月 江戸時代以来の庄屋、名主制を廃止し、大小区制となり、堀之内村、西中 村、菅ヶ谷村、松本村、西山寺村の5ヵ村は、大沢2ヵ村、大江3ヵ村、片 浜4ヵ村、萩間10ヵ村と共に、浜松県の第三大区、第十七小区に属する。
明治9年 浜松県が静岡県に編入されたことにより、堀之内村、西中村、菅ヶ谷村、松 本村、西山寺村の5ヵ村は、静岡県に属する。
明治10年 大区の編成が改められ、このとき、堀之内村、西中村、菅ヶ谷村の3ヵ村が 合併して菅ヶ谷村となり、松本村、西山寺村の2ヵ村は、大寄村、女神村の
2ヵ村と合併して永里村となり、榛原郡下の各町村と共に、静岡県の第十大区 に属する。
明治11年1月 永里村が解散し、元の松本村、西山寺村に復する。
明治12年10月 町村組合が設置されることにより、旧堀之内を除く菅ヶ谷村は、相良町、福 岡町、波津村、須々木村、大沢村、大江村、片浜村の7ヵ町村と共に、第二 町村組合を、松本村、西山寺村の2ヵ村と旧堀之内村は、萩間10ヵ村と共 に、第三町村組合を構成する。
明治22年3月 町村制の施行に当たり、菅ヶ谷村、松本村、西山寺村の3ヵ村が合併して菅 山村が誕生する。(役場を時ヶ谷129番地に置く。)
明治34年 役場を宮代3850番地の2に移転する。
昭和26年4月 相良町と合併し、菅山村の区域は、菅ヶ谷区、松本区、西山寺区の3区に分れ る。
昭和38年4月 区の編成替えにより、菅ヶ谷区、松本区、西山寺区の3区が合併して菅山区 となる。
昭和55年2月 相良町菅山農業就業改善センターが完成する。(町と区の委託契約に基づき、 施設の所有は町(現在は市)、管理運営は区と決まる。)
区公民館を旧村役場から菅山農業就業改善センター(菅ヶ谷3621番地の7) に移転する。
平成7年12月 管理人室の一部及び一階大ホール収納庫を増築する。
平成17年10月 相良町、榛原町の合併により牧之原市菅山区となる。(菅山区を構成する現 在の地区は、原、大知、新田、大向、時ヶ谷、高和、上谷川、下谷川、西 中、堀之内、松本、郷沢、団地の13地区)
6.人口、世帯数(平成26年12月31日現在)
人口 2,521人
内訳
性 別 人 口 構成比
男 性 1273人 50.5%
女 性 1248人 49.5%
世帯数 852世帯
内訳
地区名 世帯数 構成比 地区名 世帯数 構成比 地区名 世帯数 構成比
原 36 4.2% 高 和 43 5.1% 松 本 68 8.0%
大 知 26 3.1% 上谷川 38 4.5% 郷 沢 37 4.3%
新 田 44 5.2% 下谷川 31 3.6% 団 地 48 5.6%
大 向 39 4.6% 西 中 82 9.6% アパート等 隣組未加入世帯 その他
時ケ谷 39 4.6% 堀之内 99 11.6% 221 26.0%
7.組 織
別紙1のとおり
8.事 業
別紙2のとおり
9.予 算
別紙3のとおり
歴史及び沿革に関する参考文献
相良町史(相良町編)、郷土誌菅山(郷土誌編集委員会編)
国記録選択無形民俗文化財調査報告書「蛭ヶ谷の田遊び」(牧之原市教育委員会編)
相良町文化事典(中村福司編著)
さがらふるさと人物誌(川原崎次郎著)